ベージュブック「足腰弱い景気」と発表した影響

アメリカ連邦準備制度(FRS・FRB)


アメリカ連邦準備制度(FRS=Federal Reserve System)、または、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB=Federal Reserve Board,) が、2010年(平成22年)9月8日に、定例のベージュブックを発表してからアメリカ経済全体への不安感が表出してきている。これが円高の背景の重要な要素となっていることは間違いがない。ベージュブックは現在のアメリカの景気をどのようにとらえたのだろうか。


弱い経済成長。一部では「停滞」と判断。

アメリカ連邦準備制度(FRS=Federal Reserve System)の組織のひとつである連邦公開市場委員会(FOMC=Federal Open Market Committee)は、定期的に会合を開く。メンバーは、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB=Federal Reserve Board, FRB)の理事7人と、各地区の連邦準備銀行(Federal Reserve Banks)の総裁4人で構成されている。各地区の連邦準備銀行は12地区あり、それぞれに総裁がいるが、ここでの発言権を持つのは4人だけで後はオブザーバーとなる。

この12地区の連邦準備銀行が、この会議のために提出するリポートが「ベージュブック」。日本語では「地区連銀経済報告」と、翻訳される。表紙がベージュ色をしていることから呼ばれるようになった。各地域の経済状況をまとめたもので、アメリカ全体の景気を判断するために利用されている。年間8回開催されるのでベージュブックも8号出ることになる。

今回の内容は、
①8月末までの6週間単位で判断すると、経済の成長が鈍化し減速する兆候が幅広く見られる。
②東海岸や中西部で、この傾向が顕著である。
③セントルイス、ミネアポリス、カンザスシティー、ダラス、サンフランシスコなどの西部5地区では成長が維持できた。
④ニューヨーク、フィラデルフィア、リッチモンド、アトランタ、シカゴの5地区では、成長が維持できた地区と減速した地区とが共存した。
以上の4点が主旨となった。その上で、アメリカ経済の成長が鈍化した事実を明確にした。

こうしたアメリカ経済の足腰の弱さと欧州の経済業況の悪化が、ドル売り円買いを継続させている。この傾向はしばらく続くと推測されている。

【資料】12地区の連銀一覧
第1地区 ボストン連邦準備銀行
第2地区 ニューヨーク連邦準備銀行
第3地区 フィラデルフィア連邦準備銀行
第4地区 クリーブランド連邦準備銀行
第5地区 リッチモンド連邦準備銀行
第6地区 アトランタ連邦準備銀行
第7地区 シカゴ連邦準備銀行
第8地区 セントルイス連邦準備銀行
第9地区 ミネアポリス連邦準備銀行
第10地区 カンザスシティ連邦準備銀行
第11地区 ダラス連邦準備銀行
第12地区 サンフランシスコ連邦準備銀行
このうち第2地区のニューヨーク連邦準備銀行が全体の要となる。

  • この記事のURL
  • このエントリーをはてなブックマークに追加